(c)カトリーヌあやこ
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 漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、「黒柳徹子だけが知っているTHEテレビ伝説60年史」(テレビ朝日系 7月17日18:57~)について、NHKドラマ「トットてれび」と比較してその魅力を説く。

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 NHKの「トットてれび」を見て、ひらめいたに違いないこの特番。「トット」で黒柳徹子を演じたのは満島ひかりだったけど、テレ朝は清水ミチコですよ。満島が「妖精な徹子」だとしたら、ミチコは「妖怪な徹子」? ミチコ徹子には、「徹子の部屋」に来る芸人たちのボケを、ことごとく潰す、あの「キラー徹子」な香りが漂っている。
 
 そんなミチコ徹子の再現ドラマでひもとかれるテレビ60年史。歌う笠置シヅ子の後ろを歩く通行人役だった徹子が、挙動不審すぎて降ろされたエピソードなどを、本人が解説する。

「だって魚屋さんの前で、こんなスカートはいた笠置さんが歌ってたら、そりゃ見るでしょ!」

 だいたい「トットてれび」の答え合わせみたいなもんだけど、「紅白歌合戦」の司会(当時史上最年少)について語ったひと言。

「(客席から)風が押し寄せてくるの。押し返す勢いで行かないといけない。初めての人は手が震えるって言うから」って、徹子は震えなかったんかい。まさに、その舞台に立った人のみが知る言葉が生々しい。

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