現在放送中の大河ドラマ「真田丸」は好調だ。一方で、2013年の「八重の桜」や昨年の「花燃ゆ」が不調だったように、女性主人公モノは鳴かず飛ばずになることが多い。ドラマ評論家の吉田潮さんは「おんな大河路線は、うまくいかない」とばっさり斬る。

「おんな大河は、女性の活躍を前面に描くように見せて、実際はダシにしか使わないことが多い。まるで、今の自民党のようです。結局、主人公の柴咲より菅田を描く向きが強いのでは」

 ドラマ評論家の成馬零一さんも言う。

「ここ最近のおんな大河は、現代の視点で物語を作りすぎている。戦争=悪という考えを戦国時代にも持ち込めば、当然違和感が出ます。昔ながらの大河ファンが離れる理由はそこにある」

 だが、「真田丸」の好調を受け、次作には期待を寄せる。

「『龍馬伝』を機に、映像のクオリティーを前面に出す作品が続きましたが、三谷幸喜さんの『真田丸』は脚本重視に立ち戻った。今回はヒットメーカーで知られる脚本家の森下さんが大河をどう描くのか、期待大です」

 クランクインは9月の予定。来たる長い“戦”に向け、俳優陣は稽古事に忙しい夏になりそうだ。(本誌・松岡かすみ、太田サトル、鳴澤大、亀井洋志、吉崎洋夫/黒田朔)

週刊朝日 2016年7月29日号