増田寛也氏 (c)朝日新聞社
増田寛也氏 (c)朝日新聞社

 与党推薦の元総務相の増田寛也氏(64)。だが、評価はあまり芳しくない。

「したたかな人、という印象。最初は小沢一郎に見いだされて岩手県知事になったが、小沢の力が低下すると、見切りをつけて離反し、自民党についた。当時、小沢の秘書が、裏切ったことに腹を立ててコップの水を増田にかけた、というのは地元では有名な話です」(岩手県政関係者)

 そして今回は自民党東京都連との対決姿勢を示す小池百合子元防衛相との分裂選挙となった。

 小池氏と交流のある自民党のベテラン国会議員は、14日の告示日、候補者の出陣式で、増田氏のほうの陣営にいた。

「小池さんのほうには行けないよ。応援すると、除名だもの……」

 第一声には谷垣禎一幹事長、自民党都連のほとんどの国会議員や公明党の幹部、都議が集結した。マイクを握った石原伸晃都連会長はこう訴えた。

「大変重要な選挙になる」

 しかし、その石原会長に“処分”疑惑が持ち上がっている。告示日前日の13日に放送された民放の番組に出演した伸晃氏の実弟である良純氏が「鳥越さんを見てきた人なら信頼感を持つ人が多いのでは」と発言してしまったのだ。自民党都連は石原会長、内田茂幹事長らの連名で≪議員(親族等含む)が、非推薦の候補を応援した場合は、賞罰規定に基づき、除名等の処分の対象となります≫と記した文書を配布。都連会長自らがその対象になるのではという皮肉も聞こえる。

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