「うつ病かも」で安易な受診は危険? 知られざる精神科医の実態 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「うつ病かも」で安易な受診は危険? 知られざる精神科医の実態

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外からは見えにくい精神科医療の現場…(※イメージ)

外からは見えにくい精神科医療の現場…(※イメージ)

「精神科は他科に比べ設備投資が少ないので、新規開業しやすいのは確かです。ほかの診療科を専門とする医師が開業したケースも聞いています。そういう医師は精神科疾患について知識や技術が少ないので、環境調整やアドバイスだけで症状が改善するような患者さんに対しても薬を使ってしまう。こうした医師を問題視する精神科医も少なくありません」(肥田医師)

 抗うつ薬については、初期の処方と同様、「薬のやめ時」についても課題がある。薬を漫然と飲み続けることに不安を覚える患者も多く、「みんなねっと」には電話相談も多数寄せられる。小幡さんは、主治医への相談だけでなく、患者会や家族会などを通じて、同じ境遇にある人との情報交換を勧める。

 減薬の仕方は、国立精神・神経医療研究センターのホームページ(※1)に詳しく載っている。だが、肥田医師は、「減薬する方法を知らない医師もいる」と話し、さらに続ける。

「急にやめると離脱症状が出ることがあり、危険です。ていねいに減薬するならば、1剤ずつ、あるいは用量を25%ずつ減らすなどしなければなりません」

 減薬がうまくいき断薬したとしても、うつ病治療では完治ではなく、「寛解」と表現する。患者が持っているストレスに対するもろさは、薬だけをいくら用いても変わることがないからだ。肥田医師は言う。

「うつ病の患者さんに必要なのは、薬だけでなく、“支えてくれる人”であり、対処法を身につけることです。そこができないと、いくら薬で症状を改善しても、再発してしまいます」

 ひだクリニックには複数の精神科医のほか、精神保健福祉士などの多職種が常駐して、必要に応じて患者をサポートする。また患者が集うデイケアなども用意している。

 今回、取材した人たち全員が口にしたのは、「最初にかかる精神科医で人生が変わる」という言葉。診断にしても、投薬にしても、相談にしても、いい医師と巡り合えれば、順調な経過をたどる可能性は高まる。だが、各クリニックや病院でどんな治療がされているか、どこで納得のいく診療を受けられるのかなど、外からは見えにくいのが精神科医療の現場だ。

※1 国立精神・神経医療研究センター
http://www.ncnp.go.jp/index.html

週刊朝日 2016年7月22日号より抜粋


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