「支持政党なし」の正体とは…(※イメージ)
「支持政党なし」の正体とは…(※イメージ)

 今回、参院選の掲示板にあった「支持政党なし」と描いたカラフルで謎めいたポスターは印象に残った。

 この政治団体は選挙区と比例区に計10人を擁立し、議席は取れなかったものの、比例で64万7千票を取り、健闘した。

「無党派が民意だ」という佐野秀光代表(45)には、唯一の“政策”があった。議決権行使のたびにスマホやPCを通じて支持者の賛否を集め、「使者」と位置づける議員が割合どおりに賛否に分かれ投票する「直接民主主義」を実現することだ。

 団体名を含め、こんな発想はどこからくるのか。

 佐野氏のサイトによると、なんでも父からは「ニュース番組なら常にテレビに向かって文句を言え」「何でも良いので日本一になれ」と指導されたとし、自身も「この教育が今の逆転の発想に繋がっている」と振り返る。

 佐野氏はこれらを体現し、高校卒業後に母校の付属高生向け家庭教師事業をスタート。そこから「日本初」とする事業はこれまで計23を数える。「無効票」となりそうな字面を政治団体名にするあたりも、日本初だが、いかんせん、略称を正直に書きすぎたのかも……。(本誌・吉﨑洋夫、牧野めぐみ、永井貴子、上田耕司、太田サトル、小泉耕平、松岡かすみ、秦 正理、鳴澤 大/今西憲之、松元千枝)

週刊朝日  2016年7月22日号