FCCJ会員の外国人特派員がこう主張する。

「協会主催の会見は、まとまりが悪い、フリーランスの出席も多いため、やりにくいという声がそれ以降、自民党議員から聞こえるようになった」

 09年からの民主党政権下では、首相、幹部もFCCJでの会見に応じていた。しかし、安倍首相はこれまで複数回にわたり、協会からの会見要請を辞退している。

「自民党以外の政党はいずれもFCCJで記者会見を開催していることから、公正さを欠いているとの批判を受けかねない」と、FCCJは懸念を表明する。

 自民党は取材に対し、こう回答した。

「会見を拒んでいるわけではない。最大限努力はしているが、日程上、どうしてもお受けできていない」

“鎖国”と外国プレスに批判されないことを祈るばかりだ。(本誌・吉﨑洋夫、牧野めぐみ、永井貴子、上田耕司、太田サトル、小泉耕平、松岡かすみ、秦 正理、鳴澤 大/今西憲之、松元千枝)

週刊朝日 2016年7月22日号