すっかり混乱したまま、クライマックスには、全員が軍艦島に集合だ。そして、各自真相を語り出す。

 事件の黒幕は、西田敏行。西田と唐沢は、軍艦島出身の幼なじみだった。遠藤憲一は、西田の義理の息子、芳根京子は西田の孫。今まで出てきた人物、ほとんど西田敏行関係!? 昭和の迷宮入り事件が、ついに解決っていうか、めっちゃ内輪モメ状態。事件は会議室で起きてるんじゃない、西田家で起きてるんだ。

 せっかくの軍艦島だって、2時間ドラマの最後で、犯人が涙ながらに語ってる「崖」レベルですよ。世界文化遺産なのに、ヘリやボートで、みんなホイホイ入島できちゃう。石垣だって壊しちゃう。思いっきり発砲もしちゃう。

 唐沢寿明なんて、すべてが解決した後、「俺はここに残る」と、軍艦島でキャンプ宣言。ドラム缶で三億円の札ジャンジャン燃やしてるんだから、豪華なキャンプファイヤーですね~って、火気厳禁だろ! 煙たなびく軍艦島を見ながら、なぜか脳内に流れる「聖母たちのララバイ」。もしかして。片平なぎさか、船越英一郎がいたら、2時間で解決してたんじゃない?

週刊朝日 2016年7月15日号