田原総一朗「英国EU離脱で始まる『反グローバリズム』の時代」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

田原総一朗「英国EU離脱で始まる『反グローバリズム』の時代」

連載「ギロン堂」

このエントリーをはてなブックマークに追加
英国のEU離脱が決まったことを受け、国内では国民投票のやり直しの声が上がるなど混乱が続いている(※イメージ)

英国のEU離脱が決まったことを受け、国内では国民投票のやり直しの声が上がるなど混乱が続いている(※イメージ)

 その一方で、ヨーロッパの国々では新たな動きが起きている。英国の離脱に刺激されて、フランスの極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首がオランド大統領に「フランスには、EU離脱の理由は英国以上にある。離脱を問う国民投票を実施すべきだ」と直談判した。フィンランドやデンマーク、オランダなどで極右政党が支持率を伸ばしている。

 英国の離脱派と各国の右派政党のスローガンは三つある。「反エリート」「反移民」「反EU」だ。英国でも、EU残留派はエリートやインテリなど中間層以上の階層だった。一方、離脱派は中間層以下の人々が中心であり、彼らはグローバリズムの中で広がり続ける格差に不満を抱いている。そして、その不満は世界に広がる可能性がある。

 反グローバリズムの波はアメリカでも見られる現象だ。共和党のドナルド・トランプ氏が大統領予備選で勝利し、指名獲得が確定した。その原因は、アメリカ人の多くが現状に不満を持ち、極端な反グローバリズムのトランプ氏を支持したということであろう。

 日本でも所得の格差が広がっている。だが、資源がなく、マーケットを海外に求めなければならないわが国では、グローバリズムの否定はあり得ないだろう。反グローバリズムが世界を混乱させていく流れにどう対応するのか。日本には、軽業的な外交が求められることになりそうだ。

週刊朝日  2016年7月15日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい