「マイナス金利政策で、住宅ローン金利は下がりました。5年以上前に住宅ローンを組み、残債が1千万円以上ある人ならば、借り換えを考えましょう。月々の支払額を減らせるはずです」(馬養氏)

 例えば、3千万円の住宅を年3.7%の35年ローンで買ったケース。借入金が3千万円でボーナス返済なしの場合、毎月の返済額は12万7488円になる。同じ条件で金利が2.6%だと10万8863円。月々で1万8625円の差が出る。浮いたお金で、生活レベルを落とさずに貯蓄できる。

 一方で、借り換えには手数料がかかることも忘れてはならない。借り換え後の総返済額と借り換えに必要な諸費用の合計が、今の総返済額より少ないか。その点を見極める必要がある。

「変動金利ローンを組んでいる場合、金利上昇で総返済額が膨らむ恐れもあります。政府がインフレを志向していることを考えると、金利が安い今のうちに固定金利ローンへ借り換えを考えたほうがよい」(同)

 晩婚化と晩産化で、50代半ばでも教育費がかさむ家庭は多い。住宅ローンは定年までに返済すると家計が楽なので、50代以降の新規借り入れは避けたいところ。定年後も返済に追われると、生活費が不足し、借金を重ねる負のスパイラルを招く。親の死去などで遺産が入る際は、迷わずローン返済に充てるとよい。

週刊朝日 2016年7月8日号より抜粋