島田雅彦「二流の作家が都知事になるというのは伝統なのかもしれない(笑)」

週刊朝日
「文壇の貴公子」と呼ばれ、政治や思想などのアカデミックな知識も豊富な作家・島田雅彦さん。作家・林真理子さんとの対談で、政治家になった作家について持論を述べた。

*  *  * 
林:石原慎太郎さんの『天才』、いま売れてるらしいですよ。私も読みましたけど、活字がすごく大きいんです。

島田:俳句の本かと思いましたよ(笑)。

林:島田さん、芥川賞の選考委員、石原さんと一緒にやったんですよね。どうでした?

島田:意外と声が小さいなと思いました。だから恫喝口調だけど、迫力はないんです。それから、あの人の特徴は言いっぱなしということ。「ふざけるんじゃねえ」「なんだこりゃ」とか言うんですが、それに対して反論しても答えてくれない。黙っちゃうんです。

林:今回の舛添(要一)さんの政治資金問題、石原さんだったら軽くかわしてたと思いません? 「東京都知事がファーストクラスに乗って何が悪い。エコノミーで行けって言うのか。フザケるな!」とか言って。

島田:でしょうね。青島幸男さん、猪瀬直樹さんも含め、歴代の東京都知事の8人中3人は作家。二流の作家が都知事になるという伝統なのかもしれない(笑)。

林:文学と政治ってもちろん結びつくことがあるんだけど、作家が政治家になるっていうのはどうかな。そこを実践する必要はないような気がするけど。

島田:文学者と政治というのは、よじれた関係がありますよ。カンボジアのポル・ポトだって、フランス留学中はマラルメ(フランスの詩人)の研究をしてたんですよ。

林:ほんとですか。

島田:毛沢東もある意味、哲学者と言えますし。ビロード革命(89年)をやったチェコのバーツラフ・ハベルは劇作家ですし。

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