田原総一朗「メディアの役割より安倍首相の意向を重視するテレビ局」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「メディアの役割より安倍首相の意向を重視するテレビ局」

連載「ギロン堂」

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一見、争点のない選挙のようであるが、隠れたテーマは明らかに憲法改正である(※イメージ)

一見、争点のない選挙のようであるが、隠れたテーマは明らかに憲法改正である(※イメージ)

 それに対して民進党など野党は、次のような数字を示してアベノミクスは失敗だと決めつけている。

 13年は1.4%だった実質GDPの伸び率が15年は0.5%と落ち、実質賃金指数も、10年を100として16年4月は82.9でしかない。就業者数が増えたとはいえ、その40%近くが非正規労働者である。政府が懸命にあおっても、個人消費がまるで伸びない。国民の誰もが先行きに強い不安を抱いているためである。

 民進党など野党のアベノミクス批判にはそれなりのリアリティーがある。にもかかわらず、たとえば6月18、19日の朝日新聞の世論調査では安倍内閣の支持率は45%、そして不支持率は36%と、野党の批判との間に少なからぬギャップがある。

 これは、民進党など野党がアベノミクスの批判はするが対案らしいものを示せていないためである。それに、野党共闘として参院の32の1人区では統一候補を立てることになったが、比例区での野党統一名簿づくりは、民進党が反対して頓挫してしまった。

 それにしても、今回の参院選挙は、安倍首相の意向のようだが、なぜかテレビの全党党首討論が投票日の2週間前以降は行われないことになった。各テレビ局は、なぜこのようなことを受け入れたのか。メディアの役割よりも首相の意向を重視するということなのだろうか。

週刊朝日 2016年7月8日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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