動物写真家の岩合光昭さんの世界のを訪ねる旅をお送りする。今回は、ベルギー・ブルージュの猫。

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 ブルージュは、“北方のヴェニス”とも謳われる美しい運河の町。その運河のほとりにあるB&Bに暮らすノエルの朝は早い。聖母教会へと向かう小さな橋が観光客でごった返す前に、日課のパトロールに出かけるのだ。

 巡回を終えたノエルを追って宿へと戻った瞬間、目の前の光景に釘付けになる。

 凜としたたたずまいのノエルを、斜め上45度から照らす“レンブラント・ライト”――ここはベルギー、オランダではないのですが、まさにレンブラントが描く一枚の絵画のようでした。

岩合光昭(いわごう・みつあき)
1950年生まれ。動物写真家。NHK BSプレミアムにて「岩合光昭の世界ネコ歩き」放送中。

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週刊朝日  2016年7月1日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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