津田大介「問われるゴシップ型スクープ報道」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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津田大介「問われるゴシップ型スクープ報道」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

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「問われるゴシップ型スクープ報道」(※イメージ)

「問われるゴシップ型スクープ報道」(※イメージ)

 他方で、かつてティール氏が創業したペイパル社を買収し、現在は調査報道のベンチャーを創業しているシリコンバレーの大物投資家ピエール・オミディア氏は、敗訴したゴーカー・メディア社の支援を始めた。ゴーカー・メディア社は破産申請し、身売りすることで控訴審を争う方針だ。オミディア氏はツイッター上でティール氏の訴訟支援について「明確に反対」と述べ、展開次第では億万長者同士の「空中戦」に変わる様相を見せてきた。

 ゴシップ報道に公益性はあるのか。公益性の薄い報道には一定の制限をかけるべきか。制限をかける場合、表現の自由との齟齬(そご)をどうクリアするのか。本件の背景には「ビジネスとしてのジャーナリズム」を巡る諸問題が凝縮されている。この訴訟が最終的にどう決着するかは長期的に見て日本にも大きな影響を与えるだろう。「文春砲」などともてはやされる週刊誌のゴシップ型スクープも、いずれはこの問題に直面せざるを得ない。すべてのメディア、ジャーナリズム関係者はこの訴訟の成り行きに注目する必要がある。

週刊朝日  2016年7月1日号


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津田大介

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『情報戦争を生き抜く』(朝日新書)

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