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「イクメン」ブームの陰で増える父親の「パタニティブルー」

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男性の産後うつ「パタニティブルー」に悩む人が増加(※イメージ)

男性の産後うつ「パタニティブルー」に悩む人が増加(※イメージ)

 育児に積極的に参加する父親=「イクメン」という言葉が定着しつつある陰で、男性の産後うつ「パタニティブルー」に悩む人が増加。虐待傾向のある行動をとるリスクが高くなっているという。育児に参加したいが、残業がキツく、会社も休めない。育児と仕事の狭間でもがく父親の姿に迫った。

「とにかく子どもの泣き声が耐えられなくて、イライラして手を上げてしまった」。そう語るのは、新潟県に住む29歳の男性Aさん。

「どうせママのほうがいいんだろ」「お前に父親はいない」などと心ない言葉を浴びせることもあった。

 暴力が始まったのは次男が生まれた直後の3年前だ。

「当時2歳の長男をたたいても、怒鳴っても、すっきりした感情はなかった。そのあとに必ず後悔していた」と当時の様子を振り返る。

 その後、自分では気が付かなかったが、妻から「暴力的になった」と言われ、受診を勧められた。病院で抗うつ剤を処方されて、状況は改善していったという。

 産後うつになったのは、妻が出産で入院中、育児を頑張ってきたが、退院の際に長男が妻のほうにすぐに寄り添ったのを目の当たりにしてからだという。

「あんなに頑張ったのに、自分は何のために働いてきたのか、自分は必要なのか、と思ってしまった」とAさんは語った。

 仕事と育児の板挟みで産後うつになった男性もいる。都内に住む30歳の男性Bさんだ。15人程度の事業所で働いていたBさんは、いつも帰りが深夜になっていたが、家に帰って寝るまでのわずかな時間と、家を出るまでの朝の時間を使い、家事に育児に励んだ。

 しかし、忙しさもあり、育児への参加は中途半端になり、妻からたびたび「愛してくれていないのね」と非難されるようになった。

「もちろん愛していた。そう言われるたびに疲れた体に鞭を打って、家事、育児に取り組んだ」とBさんは振り返る。

 この状況を改善しようと仕事の上司に業務の見直しをお願いしたが、上司からは「相手(妻)を考え直したほうがよいのでは」と信じがたい返事が返ってきた。


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