妻の昭恵さんが言うには、安倍さんは映画好きで、映画監督になりたかったと言っているそうですね。僕は、とても映画監督に向いているとは思えないけど(笑)。
ただ、安倍さんは、映像については、そこら辺のテレビマンより関心があるかもしれない。少なくともテレビマンは、安倍さんより映像のプロであってほしい。
──今の日本で期待できるキャスターはいますか。
いませんね。
──では、今後、テレビニュースを面白くしてくれるキャスターは出てこないのでしょうか。
一人出てくれば、すぐに変わりますよ。テレビってそういうものです。
でも、新聞記者がメインキャスターや重要なコメンテーターをやっている限りはダメでしょうね。ニュースの解説には、もちろん知識や教養が大切です。ただ、テレビでは「何を言うか」よりも「どういう言い方をするか」の方が重要な場合がある。そこがテレビの難しいところ。
踏み込んで言うと、どんな例え話が最も視聴者に伝わるのか。テレビは新聞記事に比べて文字量が圧倒的に少ない。そこを考えているキャスターやコメンテーターがどれだけいるのか。筑紫哲也さんは新聞記者出身でしたが、よく考えていましたね。映画も好きで、テレビについても研究をしていました。
──ニュース番組の現状を変えるために、今でも久米さんのニュース番組復帰を期待する声がありますが。
よく聞かれるんですけどね。毎晩ニュース番組をやるのって大変なんですよ(笑)。
※週刊朝日 2016年7月1日号