都民はもちろん国民としては納得できない現実…
都民はもちろん国民としては納得できない現実…

「適切でないが違法ではない」。政治資金問題に関する舛添要一氏の会見ではこの言葉が繰り返された。都民はもちろん国民としては納得できないこの現実に、元東京都副知事で明治大学大学院教授・青山やすし氏も問題だと指摘する。

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 東京都庁は16万人の職員を抱え、一般会計予算は7兆円に上ります。「都知事は強大な権力を持つ」と報道されることがありますが、それは大きな誤解です。

 人事権はきわめて制限されています。副知事さえ選べず、都議会の承認が必要です。ホワイトハウスのように大統領が交代しても上層部の職員が大幅に入れ替わることもない。予算編成権があっても、「これに使え」と恣意(しい)的な指揮権があるわけでもありません。

 都知事候補には清貧と、奉仕の精神を求めたいのですが、都には、他府県にない特別区制度(23区)があり、都が市町村の仕事もしています。都の制度や条例を勉強して、十分な政策論争をしてほしいですね。

 そのため、都知事選に限って公職選挙法を変えることも一案です。1千万人を超える自治体の長を選ぶのに、選挙期間は2週間余りしかありません。わずかな期間では政策能力や人柄を見極めることができません。結局、知名度のある、タレントなどの候補者に飛びついてしまうのです。

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