年を取れば情報も偏ります。私なんてどちらかというと、広く浅くアンテナを張り巡らせているほうだと思うのですが、それでもミランダ・カーは私の上空をかすめません。これが40代というものなのでしょうか。その代わりと言っちゃなんですが、桜田淳子や天地真理の名前は、週4ぐらいのペースで飛び交います。今やリアルタイムで、その姿を観ることはないおふたりですが、私の生活圏における彼女たちの存在は、きわめて現在進行形なのです。あ、桜田淳子の真似をするついでに必ず出てくる西田ひかるも。

 オカマ界隈で私たちが、淳子や真理ちゃんを肴に何時間もお酒を飲んでいるように、いったいどこへ行けば、“ミランダ・カー祭り”に遭遇できるのか、考えれば考えるほど気になって仕方ありません。埼玉近辺にある短大の学食(カフェテリア的な)とか、どうでしょう? まず行くことはないですが。

 思えば、ヨン様フィーバーの時も、その熱狂ぶりを近くで目撃することは、ついぞありませんでした。せいぜいパチンコで“冬ソナ”の台を数回打ったぐらいです。それでも私は、ヨン様がアイドルだったことを、ちゃんと知っています。

 一方で、ミランダ・カーに関しては、このまま何の実感も持てずに、あっという間に時代は流れ去っていくような気がしてならない今日この頃。依然として収まりどころは不明ですが、とりあえずは、ボブ・サップと同じ引き出しに入れておこうと思います。当たらずとも遠からず。

週刊朝日  2016年6月17日号