「小池氏は安倍政権下では閣僚ポストも与えられず冷遇されているが、スキャンダルにも無傷で、閣僚経験やクールビズ導入などの実績もあり知名度も十分。実は前回の都知事選のときも、自民党都連は、一時は小池氏でゴーサインを出していたそうです。その後、官邸側の意向で舛添氏支援と決まったものの、党内に待望論は根強い。事前調査の数字次第では考えるかも」

 現段階で出馬は未知数だが、こんな話が飛び交うほど、都政関係者の関心は急速に「ポスト舛添」に移りつつあるのだ。

 ちなみに、やはり都知事候補に名前があがる丸川氏はにこやかに参加者との撮影に応じていたが、本誌が舛添氏の進退についての感想を直撃すると硬い表情にかわり、「ノーコメントです」とひとこと。二階氏は「それは都議会で決めていただくこと」と言って、会場をあとにした。

 都知事候補には小池氏や丸川氏以外にも、すでに多くの名前がメディアをにぎわせている。

 例えば大阪市長退任後、政界を引退した橋下徹氏、東京選挙区選出の衆院議員で安倍首相と親交がある石原伸晃経済再生相や下村博文前文科相、舛添氏の元妻でもある片山さつき参院議員などだ。前出の自民党関係者はこう語る。

「官邸からは橋下氏を推す声もあったが、都議団や都連がOKしない。東京には維新の子分もおらず、いくら待望論があっても現実的ではない。下村氏は文科大臣時代に政治資金問題をかなり追及されており危ない。伸晃氏は都連会長で年配女性へのウケも良いが、現役大臣に出馬させるのは手間とリスクがかかりすぎ。丸川氏や片山氏は実績が足りない。消去法でいくと、やはり小池氏になる」

週刊朝日 2016年6月10日号より抜粋