津田大介「ネット炎上のからくりと参加者」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

津田大介「ネット炎上のからくりと参加者」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

このエントリーをはてなブックマークに追加
ネット炎上で揺れた「まるか食品」の本社工場=2014年12月、群馬県伊勢崎市 (c)朝日新聞社

ネット炎上で揺れた「まるか食品」の本社工場=2014年12月、群馬県伊勢崎市 (c)朝日新聞社

 ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる、ジャーナリストでメディア・アクティビストの津田大介氏。いまや日常となった「ネット炎上」の問題点を指摘する。

*  *  *
 ある人物の言動が多くの人の怒りに触れ、ネットを通じて非難のコメントが本人に直接寄せられる状態が続く──これがいわゆる「ネット炎上」だ。対象は著名人から一般の学生、企業にも及ぶ。ネットには日々「炎上」の種がまかれ、ニュースで取り上げられる機会も増えている。もはや、日常的なニュースの一光景になったといっても過言ではないだろう。

 炎上による「実害」も年々大きなものになってきている。虫が混入した状態の商品の写真を消費者がツイッターに投稿したことがきっかけで大炎上した「ペヤングソースやきそば」の製造販売元「まるか食品」は、全商品の生産と販売の休止を発表、数十億円かけて設備を刷新せざるを得なくなった。年間売上高80億円の企業にとって、この件は大きな経営的痛手だったはずだ。

 なぜ炎上はなくならないのか。防ぐ方法はないのか。炎上が頻繁に見られるようになった5年ほど前から「いかにして炎上を防止するか」という観点の書籍が複数発売されているが、それらの本に共通している対策は「炎上しそうな話題にはそもそも言及しない」「もし炎上したらひたすら謝罪しろ」という2点である。しかし、それはあくまで対症療法的な対策でしかなく、炎上が日常化することで人々が自由に情報発信ができなくなるという根本的な問題の解決にはならない。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい