室井佑月「そろそろ、気づいてくれ」 マスコミに苦言 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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室井佑月「そろそろ、気づいてくれ」 マスコミに苦言

連載「しがみつく女」

の国のメディアの問題とは…(※イメージ)

の国のメディアの問題とは…(※イメージ)

 いや、じわじわとちょっとずつではあるが、とりあげようとしているのか。

 5月4日付東京新聞の、「覆う『表現の不自由』」という見出しの記事の中に、

「あるNHK職員は『安保法制を衆院可決前に扱うのはやめろ、と幹部から指示があった』と打ち明ける」

「政府に批判的なコメントが編集で削除されるのを見た記者は『おかしいことをおかしいと言えない息苦しさがある』と漏らす」

「一橋大院法学研究科の阪口正二郎教授によると(中略)『一政権の総務相が停波に言及したことは異常だ』」

 と書かれていた。やっぱり、おかしいと感じる人たちは出てきているのだ。

 じつは先週、ある中堅の地方新聞(沖縄の新聞じゃない。中日でもない)から、「安倍政権とメディアの圧力」というテーマの取材を受けた。

 新聞社が自分たちの意見を書くべきじゃないか。弱い個人に意見をいわせる卑怯なことをいつまでやっているんだ、と思ったので一旦は取材を断った。そしたら、再び「多くの人に断られて」と泣きつかれた。

 テーマについて、まったく記事にならないよりは記事になったほうがいいとの思いで、「ゲラの段階で見せてくれるなら」という条件をつけてインタビューを受けた。

 土壇場になって、「社の規則なのでゲラは見せられない」といわれた。「約束と違う」というと、末端の記者のせいにした。

 あのですね、ゲラを見せないというルールは、権力者から記事を守るためにあるんです。

 もうそろそろ、今の自分たちがおかしくて、でも自分たちが立ち上がらないと、ってことに気づいてくれ。

週刊朝日 2016年5月27日号


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室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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