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ミッツも驚愕  「木村拓哉」を過去にした“神レベル”の菅田将暉

連載「アイドルを性せ!」

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週刊朝日

今、日本で最も“許されている”俳優とは?(※イメージ)

今、日本で最も“許されている”俳優とは?(※イメージ)

 客商売は、何かしらの強みや売りを押し付けがましく強調することで成り立っています。特に若い役者なんかだと、顔だスタイルだエロスだといったような武器を大々的に掲げることで、より明確な客層に照準を合わせる商法が主流です。しかし菅田クンに関しては、何を売りにして、どこをターゲットとしているかが、なんだかとっても曖昧。そしてその曖昧さこそが、これほどまで無差別的な大衆性につながる“強み”となっている気がするのです。

 あんな立派な眉毛をしているのに涼しげな顔。力は入ってないけどダルそうでもない佇まい。男らしさ全開でもなければ女っぽくもないのに、だからといって中性的でもない。清潔感はあるけど1週間ぐらいパンツ替えてなさそう。この掴みどころや制約のない、究極のどっちつかず。そりゃ、鬼になろうが高校生になろうがチンピラになろうが総理大臣になろうが、無敵なはずです。

 ここ20年以上、「今どきの若者」と言えば、木村拓哉の独壇場でした。そしてキムタクが若者でなくなった今もなお、“キムタク的要素”は、間違いなく若者を象(かたど)る上でメジャーな項目です。呪縛といってもいいぐらい、日本はキムタクに支配されてきました。しかし菅田将暉には、そんな「キムタク的若者像」にすら、ペロッと舌を出してしまうような身軽さを感じるのです。

 木村さん御本人が、そして日本中が、必死になって意識し守り続けてきた「キムタク」という概念に、もはや何の思い入れもないのが分かります。ちょっぴり寂しいけれど、ついにこの時が来てしまった……。

 アイドルは、世代や時代を無情なほどに突きつけます。そして、それはいつも一瞬の出来事です。菅田クンも来年の今頃には、ただの「イイ役者」になってしまっている可能性大です。彼を許すことは、私たちが今という時を精一杯生きている証しなのです。※週刊朝日  2016年5月20日号


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ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する


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