大:「もう漫画(原作)の映画はやりたくない」とぼやくシーンも。園さんは海外に目を向けていますよね。

園:大島渚以降、90年代から日本映画は海外で注目されなくなって、いまはまったく注目されてない。

大:賞をもらう方もいるけど……。

園:カンヌも“是枝裕和”“河瀬直美”は知っていても、それ以外の監督、知らないんじゃないですか。結局、映画祭だけでは日本映画のファンがつかない。グラミー賞だけを目指しているミュージシャンがいたらおかしいでしょう。

大:そりゃそうですね。

園:でも日本の映画界はそこをまったく読み取れてない。まあ僕も日本の映画界には無視されてますから。

大:若干、やきもちもあるんじゃないですか?

園:たぶん僕に日本の映画評論家に好かれる優等生枠に入ろうという気がないから。そんな狭い枠に入っていたら世界から無視されちゃう。

大:大島渚も同じです。「同じようなものを作っているやつはどうしようもない」と。それでいっぱい敵を作った(笑)。でもいま若い人、園さんのことすごく好きですからね。結局、クリエーター本人の覚悟なんだと思うんです。

園:まあ、あんまりでかいこと言わずにやっていきますよ。でかいことを言うと、だいたいみんな沈んじゃうから(笑)。

週刊朝日  2016年5月20日号より抜粋