山岸役の太賀の演技がリアルすぎて、ぶん殴りたくなること必至。でも、これってほんとに「ゆとり」教育のせいなのか。円周率「3.14」が「3」になっただけで、こんなモンスターが育つのか。というか、よく考えたら、うざさの要因は、ほとんどスマホの機能やSNSのせいか? 鬼に金棒、ゆとりにスマホだ。

 しかし、正和のセリフ。「クズだけどみんな違うクズなんだから! ゆとりなんて言葉でくくらないでください」。これを聞いた時、耳の中に響いてきたSMAPの「世界に一つだけの花」。そうさ 僕らは 世界に一つだけのクズ。ひとりひとりが違うクズ。バブル世代と言われたって、誰もが羽根扇子振り回して、ジュリアナ東京で踊ってたわけじゃない。「◯◯世代」なんて、ざっくりひとまとめにされたくないんですが、なにか、てなドラマ

 主人公のひとり、まりぶ(柳楽)は、風俗店の客引きで「おっぱい」を連呼する。「今の気分、おっぱいかおっぱいじゃないかと言ったら、おっぱいじゃないっすか~!」。そう、おっぱいを前にしたら、おっぱいか、おっぱいじゃないかだけ。世代なんて関係ない。ゆとりだろうが、バブルだろうが、団塊だろうが、みんなおっぱいの前では平等だ。

週刊朝日 2016年5月20日号