「怒り」をコントロールすることで…(※イメージ)
「怒り」をコントロールすることで…(※イメージ)

 部下を叱ったことで「パワハラ」と訴えられるケースもある昨今。しかし、仕事中には注意しなければならない場面が……。そこで、『怒りに負ける人 怒りを生かす人』(朝日新聞出版)の著者で、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会(東京都港区)代表理事の安藤俊介氏に、とっさのときに使える「イライラワードを言い換える」ワザを教えてもらった。

 管理職の世代が若かりしころ、年長者たちから「新人類」と呼ばれていたが、今どきの新人はもっと進化している。

「新人研修を担当した上司たちから聞いたのは、今の若い世代は、自宅でお茶をいれる習慣がないので、お茶をいれられない。上司世代にとっては常識外れと思っても、当人にとっては常識だというケースがあります」

 また、携帯電話やインターネットが身近にある環境で育ったので「スマホが片時も離せない」という人もいる。そんなとき、延々と説教するのではなく、「仕事中はスマホはやめよう」と、簡潔にダメなことを伝えると効果的だ。

「わからないことがあったらなんでも聞いてね」と言いつつも、あまりにも質問が長いとうんざりするが、ここでも「質問をするなら休憩時間外にしてね」とやんわり伝えるのがポイントという。

「そんな聖人君子のようなことができるか!」と腹を立てる諸兄もいるかもしれないが、この「怒り」をコントロールする「アンガーマネジメント」という心理トレーニングを身につけることで、ストレスから解放されるというのだ。

「アンガーマネジメントという考え方は1970年代にアメリカで開発されました。『怒り』の感情はストレスがあると大きく表れ、生産性の低下や従業員の職場放棄などの問題にもつながることがわかりました。アンガーマネジメントを取り入れたアメリカの企業では、欠勤率の低さなどの成果が報告されています」

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