ゆとり部下をどう褒めたらいい?(※イメージ)
ゆとり部下をどう褒めたらいい?(※イメージ)

 ゴールデンウィークが明けたころから、心の不調を訴える人が多くなる。そんな部下をつい叱咤激励したくなる上司も多いだろうが、“言い方”ひとつでやる気を引き出し、職場も活気づくという。そんな“魔法の言葉”をマネジメントのプロたちに聞いた。

 人材不足で悩む中小企業のなかでは、忙しさのあまり従業員同士、コミュニケーションすらままならないことがある。通所介護(デイサービス)のコンパス北大宮(さいたま市北区)などを運営するリハプライムでは約60人のスタッフが常日頃、顔が見えなくても気持ちが伝わる仕事ができるようにと、感謝の気持ちを伝え合う、ネット上の掲示板「イイネBANK」を立ち上げた。掲示板には「ありがとう」など「ほめる」言葉があふれている。

 さらには、新入社員に対して周りの先輩スタッフが、長所や価値を見つけて伝える「ありがとうシート」を導入している。「ありがとうシート」を受け取った新入社員は、シートに書かれた言葉を見て自信をつけることができるという。同社の小池修社長が「ダメ出し」から「ほめる」ようになったのは、一般社団法人「日本ほめる達人協会」(大阪市西区)の「ほめ達!」検定3級を取得してから。

 このように「ほめる」ことを導入する企業が相次ぎ、毎年、ほめ達を研修として採用する企業・団体は現在100社にのぼるという。

 全国で最も人口の少ない鳥取県の県庁では、少ない財政で高いサービスを提供するために、昨年「ほめ達!」検定を活用した「認め合いマスター」をすべての部署に設置することを決めた。

 なぜ、「ほめる」ことがいいのか。『繁盛店の「ほめる」仕組み』(同文舘出版)の著者で、同協会理事長の西村貴好氏が言う。

「『部下をほめたいが、ほめるところが見つからない』という声を聞きますが、例えば、小さな頼みごとをお願いしてクリアしてくれたらほめる、という方法でもいいのでやってみてほしい。人はほめられると『自分は役に立っている』という気持ちが生まれ、労力を惜しまず会社や社会に貢献しようとします。若い人に自信がついたら、やる気に火をつけることができる。そうして組織が活性化し、会社の業績がアップするケースもあります」

 特に、サービス業では効果は顕著に表れる。

 焼き鳥居酒屋「鳥貴族」をフランチャイズチェーン展開している「ダンク」(大阪市北区)では、2008年から半年に一度、最も成長したスタッフを表彰している。

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