3千億円の削減が水の泡 金融後進国・日本の歳出意識 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

3千億円の削減が水の泡 金融後進国・日本の歳出意識

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

このエントリーをはてなブックマークに追加
住宅ローン借り換えセミナーが活況だ (c)朝日新聞社

住宅ローン借り換えセミナーが活況だ (c)朝日新聞社

 国債が膨らむばかりの日本。歳出削減は大きな課題だが、“伝説のディーラー”と呼ばれた藤巻健史氏は、意識が薄いと指摘する。

*  *  *
「お父さんは、金融イチバで働いているの?」と、小学生だったけんたに聞かれたことがある。「お父さんの世界ではシジョウと読むのだよ」と教えたが、子供の受験雑誌には「八百屋や魚屋では、お客はただ買うだけですが(イチバ)、金融市場(シジョウ)に参加する人は、買い手になるだけでなく売り手にもなって、取引を行います」とあった。とすると、いつもドルを「買え」としか言わない私は、けんたの言ったように「金融イチバ」で働いていたのかもしれない。

 別の受験雑誌には「金融とは、借りたお金を“約束どおり”に返すこと。もし返す必要がなければ、金融でなくなります」とあった。債務不履行が続いた時代だったので「日本には金融業がなくなりつつあるのか?」と嘆いたものだ。

★   ★
 金融では、約束どおりに物事を進めることが大切なはずだ。なのに日本では約束事がひっくり返されることが多い。これでは金融後進国だ。マイナス金利政策が発動されてから、長期金利が低下し10年債の利回りは一時、マイナス0.135%をつけた。それに伴い「固定金利型住宅ローンの低金利への借り換え」が起きていると聞く。「借り換え促進キャンペーン」広告も散見される。

 しかし金融理論上、これはおかしい。固定金利の途中解約は(金利が下がっている場合)借り主がかなりの違約金を払わなければならないはずで、経済学的には「借り換えても借り換えなくてもほぼ同じ」のはずだ。逆に言えば「借り換えても借り換えなくてもほぼ同じ」になるように違約金の額が決まるのが理屈なのだ。

 ただ聞いてみると、事業性の資金の場合は「繰り上げ償還」に理論どおりの違約金を請求するが、住宅ローンの場合は、違約金を請求しないケースがままあるとのこと。違約金を請求しない理由の一つは、契約書に「解約の際に違約金が発生する」ことを明示していない銀行があるからとのこと。本当なら信じがたい話で、プロとして貸し手の知識欠如は甚だしい。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい