外交交渉で、小野寺氏は同盟国の素っ気ない態度に困ってしまったようだ。

<それでどうしようか、小野寺さんが安倍さんと相談してるんですよ。そこで「少しは何かせんといかんでしょう」と。という話が去年の平和安保法制になったわけです>

 安保法制は「特定の国を想定したものではない」というのが政府の公式見解だ。以前から指摘されていたことではあるが、藤丸氏は、安保法制が中国を最大の対象にしていたことを明らかにしたことになる。

 これだけではない。地元への利益誘導とも思える発言も繰り返されていた。

 佐賀空港は、1960年代の有明海干拓事業の埋め立て地に位置する。造成された周辺の土地は大半が畑で、地元漁協やその関係者が所有しているのが登記から確認できる。

 藤丸氏はそれを意識したのか、<私は有明漁連>と冒頭で訴えた。

 オスプレイ配備の「基地」はそんな場所が想定されている。そのためには漁協や所有者から土地を買収し、新たに基地を建設しなければならない。そこで防衛省は、空港に隣接する約90ヘクタールのうち約30ヘクタールを買収するとしている。

 一方で、オスプレイ配備計画には地元住民から安全性への疑問や飛行時に出る騒音が漁に悪影響を与えるのではとの不安が根強くある。無論、そのことは承知しているはずの藤丸氏だが、このように語った。

<(佐賀空港には隣接する)70~80町歩(70~80ヘクタール)くらいの土地があり、(中略)3年ほど前にここにオスプレイをしたらどうやろうかと、話が持ち上がったので防衛省は半分ぐらい(の買収で検討した)。というのも、35ヘクタール以上になると、調査せんとですよ、環境調査を。35ヘクタールないと調査はせんでいい>

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