私立校にも目を向けよう。今年9位にランクインした渋谷教育学園幕張はここ数年で、難関大合格実績上位校の常連として定着した。同校が力を入れるのはグローバル教育だ。スーパーグローバルハイスクール(SGH)にも指定されており、帰国生徒や海外の大学への進学希望者も少なくない。中3でニュージーランドへのホームステイ、高2で中国への修学旅行のほか、米国、英国などでの研修、シンガポールの名門校、ラッフルズ・インスティチューションとの交換留学制度も。同国での教諭経験もある進路部長の井上一紀教諭は、「同国の政財界、官僚の登竜門の学生との同世代交流を通じ、学びの姿勢や、キャリアデザインの考え方に触れるのが狙いです」と話す。

 同校はキャリア教育も充実している。起業家セミナーや、東大の物理学の教授による模擬授業、同校OBの日本マイクロソフトの平野拓也社長の講演なども積極的に開いている。

「社会勉強というより、こういうことを学ぶためにはどんな基礎知識が必要なのかを知り、大学というのは、こういうことを学ぶところなんですよ、ということを理解してほしい」(井上教諭)

 躍進する女子校では、理系進学希望者が増えてきている。例えば今年36位に入った鎌倉女学院。

 高3時にはほぼすべての生徒が英検2級以上を取得するなど伝統的に英語教育が強いことに加え、ここ数年は理系を志望する生徒が増えている。12年からは、文系、理系を横断的に学ぶコースを設けた。

 夏休みには特別講習、冬にはセンター試験対策。理系の生徒には土曜日に数時間、数学の講義をプラスして実力を養成するなど、きめ細かなバックアップ体制でセンター試験の成績も上がっている。

「センター試験の結果が追い風となって、以後の私大受験に余裕をもって取り組めることも、実績が上向いている理由のひとつでしょう」と教務課長の大野明子教諭は分析する。

週刊朝日 2016年5月6-13日号より抜粋