「結果がよかったのが千葉県柏市。柏市はウォーキンググループが多く、散歩に適した環境も整っていました。これからの医療政策は、健康維持のためのコミュニティーづくりを支援することが必要です」(近藤氏)

 東京都杉並区では、銭湯を使ったコミュニティーづくりが始まっている。同区では、65歳以上であれば週に1度100円で入湯できる曜日を設けている。同区の保健福祉部は、

「定期的に高齢者が銭湯に集まることで、地域の交流の場になっている」

 そのほか、区内の銭湯と協力して、営業時間外の施設を高齢者のサークル活動に貸し出していて、「ヨガや健康マージャンなど、さまざまな活動が広がっています」(同)という。

 東京都の場合、入湯料を週1回100円にすると、1年間で必要な予算は約12億円。銭湯で交流し、運動をして、健康情報を交換する。高齢者が健康になって医療費削減につながるなら、それほど高くはないかも。

週刊朝日  2016年5月6-13日号