山尾志桜里政調会長(右)と田原総一朗氏(撮影/写真部・岡田晃奈)
山尾志桜里政調会長(右)と田原総一朗氏(撮影/写真部・岡田晃奈)

 民進党の新しい“顔”となった山尾志桜里(しおり)政調会長。抜擢のきっかけは、保育園の待機児童問題だった。田原総一朗氏との対談で、問題解決に切り込んだ。

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田原:当選2回の山尾さんが政調会長に抜擢されたきっかけは、保育園の待機児童問題です。山尾さんが国会で安倍首相をオタオタさせた。待機児童問題は、どうすべきだと思いますか?

山尾:ポイントは三つあります。まずは、隠された待機児童の数をすべて表に出すことです。

田原:まだ表に出ていないんですか。

山尾:ええ。特に政府は自治体ごとの数字を隠し続けています。最初は「全国で2万3千人」と発表していたのが、育休をカウントしていないことなどを私が追及したら8万3千人まで増えた。今度はそれを自治体別に出せと言っているんですが、厚生労働省は数字を持っているのに出さないんです。

田原:なんで出さないの?

山尾:自治体に遠慮しているんですかね。「表に出す前提で各自治体にアンケートをとっていない」と言うんですが、それなら公表させてほしいとあらためて頼み、拒否した自治体は「未回答」とすればいい。

田原:数字を出すと、何か不都合があるんですか?

山尾:正しい数字を公表されたら困る自治体があるのでしょう。これまでは自治体ごとに待機児童数の集計のモノサシがまちまちで、東京都世田谷区のようにしっかり集計するところは数字が大きくなる一方、カウントを小さく見せていた自治体もあった。でも、その数字を信じてその地域に引っ越してしまう親が出てくるし、保育事業者も需要がないと思って集まらず、いつまでも保育園が増えない。国が「ダメ」と言う覚悟が必要なんです。

田原:国会でガンガン追及してほしい。

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