さらに、女優の西内まりや(22)は16日、「九州の方だけではなくみーんな、備えあれば憂いなし。頑張ろう。支え合おう。(ハートマーク)」と、自撮り写真を添えてツイートしたところ、「軽いノリで腹が立つ」と批判コメントが集中。「不快な気持ちにさせてしまっている方々ごめんなさい」と謝罪にまで追い込まれた。

 苦しんでいる被災者らに対する「配慮」という正義をふりかざし、「笑顔」すらも許さない歪んだ「不謹慎狩り」が横行している。

 女優の長澤まさみ(28)や山田優(31)も、地震発生直後の14日夜に笑顔の写真をインスタグラムに投稿しただけで、「不謹慎だ」「空気読めなさ過ぎ」などとバッシングされた。

 こうした事態について、メディアコンサルタントの境治さんは、「被災地に対する支援の動きが、ネット上の一部で歪み始めている」と指摘する。

「良いこと以外はしてはいけないというような極端な価値観の押し付けが、監視と批判という形で表面化している。これに過剰反応して、謝罪や撤収を繰り返す動きこそが、誰も望まない“自粛”を生むのではないでしょうか」。(本誌・松岡かすみ)

週刊朝日  2016年5月6-13日号