ドロドロ血は関係なかった! 動脈硬化の本当の要因は?

週刊朝日#健康
 健康診断のたびにコレステロール値や中性脂肪値が気になっている人は多いだろう。コレステロールも中性脂肪も脂質だ。血液中で過剰になると動脈硬化をうながし、狭心症や脳梗塞などを起こしやすくする。そのため、基準値以上の状態が続くと「脂質異常症」として治療が必要になる。以前使われていた「高脂血症」という病名のほうが耳慣れているかもしれない。脂質異常症は、コレステロール値が高い「高コレステロール血症」と、中性脂肪値が高い「高トリグリセリド(TG)血症」に分けられる。

 基準値は総コレステロール(TC)が220未満、LDLコレステロール(LDL‐C)が140未満、中性脂肪が150未満だ(単位はいずれもmg/dl)。

「血液がドロドロになって血管をつまらせる」というのが一般的なイメージだが、けっしてそうではない。コレステロールと中性脂肪では動脈硬化をうながすしくみが異なる。また、コレステロールは細胞膜などの材料として、中性脂肪はエネルギー源として、なくてはならない物質でもある。加えて“悪玉コレステロール”としてのイメージが先行しているのがLDLだ。

 LDLの約7割は肝臓でつくられ、残りの約3割は食物から摂取する。コレステロールを全身の細胞に運ぶ役割があるが、過剰になると細胞に取り込まれずに血液中に溢れ、血管壁に入り込んでたまる。すると血管の壁がぶ厚くなるため、動脈硬化のもっとも大きな要因となる。

 脂質異常症には、もう一つ重要な物質がある。HDLコレステロール(HDL―C)だ。血管壁に入り込んだLDLや細胞で余ったLDLを回収して、肝臓に運ぶ役割をもっているため、“善玉”と呼ばれている。基準値は40以上。こちらは高いほうがいいことになる。

 また、高コレステロール血症は生活習慣や他の病気の影響などで起こるが、それらと関係ないタイプもある。それが、家族性高コレステロール血症(FH)だ。

 東京都在住の会社員・堤圭一さん(仮名・56歳)は40歳ごろからTC300前後で高コレステロール血症を指摘されていたが、仕事が忙しく放置していた。しかし妻にすすめられ、44歳のときに帝京大学病院を受診。初診時の検査値は、TCが330、LDL‐Cが272、HDL‐Cが38、中性脂肪が100で、糖尿病などはなかった。堤さんを診た同院内科教授の木下誠医師は次のように話す。

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