自身の辛い経験から…(※イメージ)
自身の辛い経験から…(※イメージ)

 ジャズシンガーの妻・大橋美加さんとオーケーミュージック代表で元マネジャーの夫・大谷忠司さん。大谷さんは、妻の母であるマーサ三宅さんにスカウトされて大橋さんのマネジャーになったという。マネジャーが担当タレントと結婚する。意外ではない組み合わせかもしれない。しかし妻の父が、あの大橋巨泉さんだったら――。

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妻:この人は昔から年上ウケするタイプで、母にも可愛がられていた。だから母は問題なかったけど、父(巨泉さん)に報告するのはけっこう大変で……。

夫:心の準備がいりましたね。まあ、若かったからできたんだと思うんです。気を回したり悩んだりする前に「まあいいか!」って。

妻:当時、父は静岡県の伊東に住んでいたんです。そこまで挨拶に行ったんですけど、父の第一声が「(背が)大きいね」(笑)。うちの父、昭和9年生まれにしては背が高くて、若いころは178センチくらいあったんですって。会ったときに自分よりもこの人のほうがちょっと大きかったものだから。それで次に突然、「泳ぐぞ!」って言ったんです。で、マンションの地下にあった室内プールにバーッて行っちゃった。

夫:いま思うと「??」ですけどね。

妻:この人びっくりしちゃって。茫然としていたら継母(大橋寿々子さん)が「ほら、パパの水泳パンツ貸してあげるから、早くついていきなさい」って。それから父とこの人、二人で2頭のクジラのように無言でずっと泳ぎ続けたんです。私はオロオロしながらプールサイドを行ったり来たりして。

夫:あのとき、「僕、泳げないんです」って言っていたら、今はないでしょう(笑)。

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