民進党の政調会長に抜擢された山尾議員にガソリン代の不正請求問題が発覚し、前途多難な民進党。民主党の政調会長から民進党では無役になった細野豪志議員は、作家・林真理子さんとの対談で被災地への思いを語った。
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林:私、民主党が政権から落ちた直後に細野さんが書かれた本(『未来への責任』)を読ませていただきましたが、福島の問題にすごく一生懸命取り組まれたんですね。どうしてそれが世間に伝わってないんですか。
細野:そりゃ、目の前であれだけのことがあったら、担当者は一生懸命やりますよ。被災地のがれき処理は、私がものすごくエネルギーを投じたことの一つです。ただ、報道はできたことではなく、できないことを伝えますから。
林:今もずっと被災地に通っていらっしゃるんでしょう?
細野:それはやってます。
林:そういうことも、もっと伝えてほしいですよね。
細野:まあ、いいんですよ。因果は回るというか、一生懸命やっていれば、どこかでつながると思ってるので。政治家もたまには陰徳を積んだほうがいいんですよね。
林:そんなのんきなことを言ってる時間はないですよ。陰徳って10年20年かかるじゃないですか。選挙は7月ですから。
細野:でも、私は追い込まれたり迷ったりしたときこそ、「これだ」と思うことをやり続けるんです。するとおもしろいことに、また運が回ってきたり、縁が結ばれたりする。20代30代は政権をとるためにすべて犠牲にして、政治以外には時間を使わないと思ってやってきたんですが、もともと私、オペラが好きで……。