(※イメージ)
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 フード&ワインジャーナリストの鹿取(かとり)みゆきさんが、日本ワインを紹介する。今回は、北海道函館市の「ノラポン・エフェルヴェサン 2015(白)」。

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「ノラポン・エフェルヴェサン」のラベルはとても楽しい。草花が咲き乱れる花畑で、やキツネやカエルなどの生き物たちが踊っている。北海道函館市にあるワイナリー「農楽蔵(のらくら)」の佐々木賢さんと佳津子さん夫妻は、ラベルに込めた思いをこう話す。

「北海道は冬が長いだけに、春を迎える人びとの喜びもひとしおです。桜や梅、さまざまな花が一斉に咲き出す北海道の春に楽しむワインを造りたかった」

 2012年にワイナリーを設立した時、二人は、ふたつのタイプのワインを造っていこうと決めた。

 ひとつはやってみたいことを思う存分にチャレンジした「ノラ・シリーズ」。もうひとつは北海道らしい味わいの個性を追求した「ノラポン・シリーズ」。エフェルヴェサンは後者のタイプだ。

 北国のブドウの持つ爽やかな酸と熟したリンゴの蜜のような香りが、泡立ちとともに弾ける発泡酒。きりりと冷やして、春の光のなか、屋外で飲むのもいい。

週刊朝日 2016年4月22日号