そして、本来男性視聴者のために用意されたであろう、「美人すぎるおたくハーフモデル」市川紗椰。何の因果か、彼女がメインで番組を仕切ることになり、画面から緊張感がほとばしる。いちいちかむから、情報がまったく頭に入ってこないのだ。「雲」が「クマ」、「冷えこみ」が「ヒヨコみ」って。初めてですよ、天気予報で、脳内を動物が駆けめぐるって。

 ショーンKの代わりに起用されたモーリー・ロバートソンは、ラグビー前日本代表ヘッドコーチのエディ・ジョーンズばりなコワモテのせいか、MCではなくコメンテーターポジションだ。「モーリーの言いたいことモリだくさん」というコーナーも、実際モリは少なめ。まぁ、準備期間も足りなくて、今は、国内ニュース、ドラマの番宣、スポーツ、海外時事特集に、ほのぼの動物動画、全部詰めこんじゃいました、という状態。画面左上に表示された砂時計の砂が、ただ落ちるばかり。

 せっかく市川紗椰なんだから、天気はアナウンサーにおまかせで、アニメと鉄道と相撲のコーナー作ればいいのに。セットもスナックみたいにして、紗椰はカウンターの中に入っちゃえばいい。カメラは滝川クリステルアングルで、紗椰の「おもてなし」ショットを狙えばいい。モーリーは、一曲歌っちゃえばいい。そうだ、タモリも呼んで「ヨルタモリ」にしちゃおう。

週刊朝日 2016年4月22日号