巨人は野球賭博問題に関して最初の調査のとき、解雇された3選手以外にも闇カジノに出入りしていた選手が『いた』と言っていました。それが今年になって申し出て処分された高木京介だけかどうか。反社会勢力との接触の可能性がある闇カジノへの出入りという重大問題を、チーム内の声出しやノックに絡んだ金銭授受という問題に紛れさせてサラッと流したようにすら見えました」

 スポーツ界全体を巻き込む一連のタブーは、そう簡単には終わらないし、終わらせてはいけない。メダル候補が五輪に出場できなくなるというショッキングな事態は、そんな警告にも思えてくる。桃田は東京五輪のことを聞かれても「この先どうなるかわからなくて、4年後……全く見えません。今はただ反省の気持ちでいっぱいです」と茫然自失(ぼうぜんじしつ)。この姿から何を学ぶかだ。(ジャーナリスト・渡辺勘郎)

週刊朝日 2016年4月22日号