一方で、今回の日本バドミントン協会の即断即決について「野球界との差が際立ってましたね」とも指摘する。NTT東日本は、海外遠征中で、しかもトーナメントを勝ち進んでいた桃田を帰国させて調査し、翌日に謝罪会見させた。バドミントン協会はNTT側が2人の闇カジノへの出入りがあった事実を発表した時点で即、「(日本代表選手として)推薦できない」と、事実上リオ五輪への道を断った。

「立件されるか否か別にして日本代表にふさわしくないですから、あの対応は残念だけど仕方ない。『推薦できない』と語ったバドミントン協会の銭谷欽治専務理事は泣いてましたね。日本のバドミントンは昔から女子が強くて男子は弱く、彼はそんな時代のトッププレーヤー。何とか男子も強くしようと世界の強豪と戦う舞台を増やし、やっとメダル圏内の選手が育ってきて五輪目前でこれですから、そりゃ涙も止まらないですよ」(同)

 皮肉にも、桃田選手は3月25日、今年の巨人の開幕戦で始球式を務めていた。その時点では“リオ五輪のメダル有力候補”で時の人だったからこそ東京ドームのマウンドに上がる栄誉を得た。そんな彼がアスリートにとって4年に一度しかないチャンスを失ったのだ。

「そんなに悪いことなのかと、ビビってる巨人の選手がいるはずです。闇カジノに関して球界では今のところおとがめなしで、それで済んだらおかしい。この問題に関して日本野球機構の崎勝彦コミッショナーは『他競技のことについてはコメントは差し控えたい』と話しましたが、単に逃げている、とも言えません。野球界としては五輪競技への復帰を目指している最中で、それこそ戻してもらうために土下座状態。何も言えないのが現実ですからね」と、ベテラン野球記者は背景を解説する。

 スポーツ紙デスクは、昨年から続く問題の本質をこう語った。

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