秘書の監督責任を陳謝した山尾議員 (c)朝日新聞社
秘書の監督責任を陳謝した山尾議員 (c)朝日新聞社

 民進党の山尾志桜里政調会長に浮上した政治資金における多額の“ガソリン代支出疑惑”。安倍晋三首相ら政権幹部にも疑惑の目が向けられている。

 ことの発端は、週刊新潮が4月7日号で報じた記事。山尾氏が代表を務める政党支部が、2012年に支出したガソリン代が230万円に上り、地球5周分に相当すると指摘した。

「『保育園落ちた』ブログを取り上げ、待機児童問題で政府を鋭く追及した山尾さんは、民進党の新しい顔として注目度が高い。永田町では政権側が“山尾潰し”を仕掛けたとも言われている」(政治アナリスト)

 しかし、因果は回る。安倍首相が代表を務める「自民党山口県第4選挙区支部」のガソリン代までも取り沙汰されることに。12年に573万円を支出、距離に換算すると実に約54万キロに及ぶ。地球13周分に相当する。翌13年は554万円、14年も499万円と、安倍事務所の車は毎年地球を10周以上走行していることになるのだ。

 山尾氏は4月6日の会見で、12年に政党支部などが支出したガソリン代が、報じられた額以上の429万円に上ることを明らかにした。そのうえで、元公設秘書が不適切な会計処理をした可能性が高いと釈明した。

 本誌は安倍事務所にガソリン代支出が高額な理由を問い合わせたが、「政治資金規正法にのっとり適正に処理している」と回答するのみで、説明はなかった。

 ならば本誌なりにさまざまな角度から検証してみたい。安倍氏の地元、山口県下関市の面積は約716平方キロで、東京23区よりやや広い。だが、市の資料によると、中心市街地の面積は市域のわずか0.3%の2.3平方キロ。地形的にも山が多く、平地が非常に少ない。下関市議の一人が言う。

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