7日16時半、東京・八重洲の会見場に現れたのは、鈴木会長と村田紀敏7&i社長、それに2人の「顧問」だった。鈴木会長との共著も手がけるジャーナリストの勝見明氏が話す。

「佐藤信武顧問は鈴木会長が大学卒業後に勤めた書籍取次大手トーハン時代の後輩で、会長を追ってイトーヨーカ堂に転職した後、同社の副会長に上りつめた人物。一方の後藤光男顧問はヨーカ堂時代から主幹事証券を務めている野村證券出身で、野村企業情報(2002年に野村證券が吸収合併)というM&Aの専門会社の社長も務めた人物。顔が広く、ファイナンスに精通していることから、セブン銀行の設立や06年のミレニアムリテイリング(そごう・西武百貨店の持ち株会社)の買収に際して、調整役を務めました。両者に共通するのは創業者の伊藤雅俊名誉会長とも近しい間柄ながら、鈴木会長が最も信頼を寄せている点です」

 いわば、鈴木会長の身内。そんな2人を引っ張り出してきたことに、関係者は驚きを隠さなかった。

「出来の悪い息子を糾弾するために父親とその親族が一緒になって会見を開くようなもの。そのうえ、伊藤名誉会長との確執も明かしたのだから、お家騒動以外の何物でもない。まさか、あんな会見になるとは想像もしなかった」(内部関係者)

 冒頭から、会見場は異様な空気に包まれた。まず、鈴木会長が独特の表現で井阪社長に退任を迫った理由を語り出した。

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