動物写真家の岩合光昭さんの世界のを訪ねる旅をお送りする。今回は、イギリス領ポート・スタンリーの猫。

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 南大西洋、アルゼンチンの東の沖合約500キロに浮かぶ、フォークランド諸島。その中心都市ポート・スタンリーには、19世紀のイギリス植民地時代からの町並みが、いまも残っている。建物だけでなく、めぐらされた柵まで英国風だと思い眺めていると、これまたイギリスらしさがよく似合う、ふっくらとした猫が、その上を歩いてきた。幅1センチもない尖端をものともせずに。

 どこへ行くの、と尋ねると、みゃおう、と返事もイギリス英語の発音か、女王様のように優雅な足どりで去っていきました。

岩合光昭(いわごう・みつあき)
1950年生まれ。動物写真家。NHK BSプレミアムにて「岩合光昭の世界ネコ歩き」放送中。

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週刊朝日  2016年4月15日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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