動物写真家の岩合光昭さんの世界のを訪ねる旅をお送りする。今回は、インドネシア・ボルネオ島の「森猫」。

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 カリマンタン(ボルネオ島)、熱帯雨林が広がる赤道直下のこの島には、希少な野生動物が数多く生息している。

 南部のタンジュンプティン国立公園でも、まるで門番のようにこちらを誰何する猫の後ろにオランウータンの姿。公園の管理者事務所で暮らす猫と、野生のオランウータン、出くわすことは日常茶飯事、鋭い視線を投げかけることもなく穏やかな空気のまま通りすぎる。

 ヒトと野生動物と家畜。適度な距離を保ちながらお互いを尊重し、共に生きている。

岩合光昭(いわごう・みつあき)
1950年生まれ。動物写真家。NHK BSプレミアムにて「岩合光昭の世界ネコ歩き」放送中。

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週刊朝日 2016年4月8日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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