視力悪いと認知症になる?“眼”との正しい付き合い方

週刊朝日#病気

眼のいい病院
朝日新聞出版
978-4022775122
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「年だから見えなくても仕方ない」「眼を手術するのは怖い」など、白内障手術に踏み切るのはハードルが高い。しかし、手術後の成績はよく、QOL(生活の質)とともに認知機能が改善されるのではと、研究が進んでいる。現在発売中の週刊朝日MOOK「眼のいい病院」から高齢者に多い眼の病気の正しい治療法を解説する。

 高齢者の視力低下は、学習や理解、記憶といった認知機能に影響を及ぼすことが、臨床研究によって明らかになってきた。奈良県立医科大学の眼科学教室が12年から県内の高齢者約3千人を対象におこなっている大規模疫学調査「藤原京アイスタディ」もその一つだ。

 この調査の目的は、自分で歩くことができる65歳以上の男女に健康診断を実施し、さまざまな項目の検査結果から「元気な高齢者の秘訣」を探ること。視力などの眼科健診と、「MMSE」という認知機能検査の結果を解析し、関連を調べた。MMSEは、数値が小さくなるほど認知機能が低いと判定される。眼科学教室教授の緒方奈保子医師はこう話す。

「視力のいい人のほうが明らかに認知機能は高く保たれていました。また検査を受けた人の中には、MMSEが認知症レベルまで下がっている人も約6%含まれていて、視力の悪い人はいい人の約2倍、認知症の発症リスクが高いこともわかりました」

 なぜ視力が悪くなると、認知機能も低下してしまうのだろうか。緒方医師は言う。

「眼は重要な感覚器で、脳に送られる情報の80%以上は眼を通して入ってくるといわれています。視力が低下して眼からの情報が減れば、脳に送られる情報も減少する。見えにくい状態をそのままにしておけば、脳の働きはおのずと低下してしまいます」

 加齢とともに老眼や眼の病気で視力は低下していくが、白内障は「手術」で回復が期待できる。

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