二世選手の活躍も少なくないスポーツ界。プロゴルファー・丸山茂樹氏の息子・奨王(ショーン)くんもゴルファーだが、そろそろスランプの時期ではと、丸山氏は予測する。

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 今年に入ってすぐにロサンゼルスの自宅へ戻ってましたけど、先日帰国しました。おかげさまで忙しくさせてもらってます。長い“冬休み”をいただきましたから、ここからまた張り切っていきたいと思います!

 ロスでは体と相談した上で軽めの練習をしながら、ジムでトレーニングを積み重ねてきました。あとは、ほんとにのんびり過ごさせてもらいましたから、しっかりとリフレッシュできました。

 ロスで生まれ育った一人息子の奨王とは、毎週一緒にラウンドしましたよ。練習もできるだけ付き合いました。まだ15歳ですからね。うまくなってるかどうかは分からないですけど、本人が好きで一生懸命ゴルフに取り組んでるんで、それで十分じゃないかなと思ってます。

 いまはドライバーの平均飛距離が280ヤードぐらい出てますね。ここからちょっと難しい時期になってくると思います。筋肉がついてきて、パワーが出てきますから、これまでまっすぐ飛んでたショットが曲がり出したりするんですよ。誰もが通る道ですけど、そこでどう修正していくかが大事ですね。

 彼はキャンベルホールスクールという学校の10回生なんですけど、勉強がなかなか大変みたいです。学力が劣ってると判断されると、容赦なく落第ですからね。「もう1年、この学年でやってみたら」なんて言い方で告げられるそうです。彼の周りでも結構そういうケースがあるみたいなんですよね。

 
 だから、自宅でもかなり勉強してましたよ。僕からしたらビックリするほど宿題が多くて、どんなときでも毎日3時間はやってるんじゃないですかね。「勉強があるから」って、なかなか部屋から出てこない。

 それで部屋に遊びに行ってみたらパソコンをいじってるから、「勉強じゃないじゃん」って言ったら、ほとんどの宿題がパソコンを使って提出するんですって。何だかもう、想像できない別世界です。宿題自体もメールで送られてくるなんて言ってました。そんな毎日だから、「なかなかゴルフの時間がとれないよ」ってボヤいてましたねえ。

 僕が同じ年代のときには考えられないボヤきですけど、親としてはこのまま文武両道で頑張っていってくれたらな、と思ってます。

 4月になると、日本男子ツアーの国内開幕戦を迎えます。今年は新しいステップアップの年にしないといけないですね。

 日本ゴルフツアー機構(JGTO)の新会長に青木功さん(73)が就任されました。選手たちには「青木さんに迷惑をかけないようにしないと」という責任感が出てきてると思います。あとはどんなテーマを持って、僕も含めた選手たちがゴルフ界を動かしていくかですよね。志というか。たぶんこれからJGTO発でいろんな提案が出てくると思うんで、選手たちが足並みをそろえてその実現に向かっていく年になるでしょうね。

 1年、2年でどうこうなる問題ばかりじゃないでしょうけど、今後のゴルフ界が大きく変わっていけるかどうか、節目になる年じゃないかと思ってます!

週刊朝日 2016年4月1日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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