何かと気になるライバル校(※イメージ)
何かと気になるライバル校(※イメージ)

 進学校の生徒らやその卒業生にとって、ライバル校の合格実績は何かと気になるものだ。県内の2校が熾烈なトップ争いを繰り広げる地域もあれば、公立同士がタッグを組んで強豪私立に挑む地域もある。

 大阪府を見ていこう。関西圏の主戦場である京大の合格実績を見ると、府立校の健闘が目を引く。東大合格者トップ10が私立、国立の中高一貫校一色なのに対し、京大では北野が3位に、天王寺が7位にランクイン。トップ20校に、府立校が4校入っている。

 いずれも大阪市内にある北野、天王寺、大手前の3校が「府立御三家」と呼ばれている。70年代には、3校合わせて年に250~300人が京大に合格していたが、今年は146人。全盛期の約半数だ。

 東京都は、学校群制度の導入によって都立校の合格実績が低迷したときに、開成などの私立校が台頭した。大阪府も同じ構図だ。

 大阪府は兵庫県、京都府、奈良県と距離が近く、交通の便もいいため、大阪府内に住む生徒にとっては4府県の私立校が通学圏に入る。灘、洛南、大阪星光学院、東大寺学園、西大和学園と、並み居る難関校が小さな範囲にひしめく。大手前の柴浩司校長は、

「合格実績では私立がライバルだと思っています」

 と言い切る。一方で、勉強はもちろん、部活や行事も頑張る府立校に誇りを持っている。

「つい最近発表になったスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の中間報告では、最高ランクの評価をいただきました。全国で3校だけです。大学進学がゴールではなく、大学入学後にスムーズに学ぶことができ、社会人になってから活躍できるよう、課題解決能力やコミュニケーション能力も身につけさせたいと思っています」

 大阪府は09年、国際社会で活躍できる人材を育てるため、進学実績が高い府立10校を「進学指導特色校」(現在はグローバルリーダーズハイスクール<GLHS>)に指定。3校のほかに茨木、四條畷、三国丘、高津、生野、岸和田、豊中が選ばれている。GLHSは10校合同の行事も多い。

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