そもそも病気のきっかけは1日4箱にも及んだ喫煙や深酒による高血圧。今も「ウイスキーの炭酸割り」を少したしなむが、規則正しい生活でマヒも回復した。

 そんな内藤さんに昨年、嬉しい知らせが舞い込む。

「事務所の社長から、歌うか?と聞かれて、即『やります』って答えたんです」

 ところがいざ歌うと、か細い声しか出せず、2人のボイストレーナーによる発声練習が1年弱にも及んだ。新曲と合わせてかつてのヒット曲(3曲)を新たに録音しているが、キーの高さを数度調節したとか。

「昔はビブラートも自然にできて、ララバ~イとか喉を震わせられたけど、どうしてできたのかしら(笑)」

 現場スタッフは目を細め、「昔の通りにいかなくても力強さがある」という。名曲の歌詞は“想い出ぼろぼろくずれる”だが、新たな想い出作りはこれからだ。(本誌・藤村かおり)

週刊朝日  2016年4月1日号