(c)カトリーヌあやこ
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 赤塚不二夫の傑作「天才バカボン」を実写化し注目を集めた「天才バカボン~家族の絆」(日本テレビ系 3月11日 21:00~)。漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、「リアルな邪悪さが最高」だったと評価する。

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 おでこのシワが似てる。その一点で選ばれたとしか思えないバカボンのパパ役、上田晋也(くりぃむしちゅー)なのだ。なんせデコしわのアップで始まった、デコしわ押しドラマ。付けヒゲをしてたけど、バカボンのパパの鼻の下、あれはヒゲだったのか。ずっと鼻毛だと思ってました。子供の頃に刷り込まれているせいか、ついつい細かいところが気になってしまう懐かし漫画の実写化。

 なぜか、バカボンの隣の家にマツコ・デラックスが住んでいたり、上田と「おしゃれイズム」つながりで、藤木直人がゲスト出演していたり、突然パパがサックスで「太陽にほえろ!」のテーマを演奏したりと、随所にちりばめられる日テレ色。むしろ、これは日テレ春のバカ(ボン)祭り?

 オカリナ(おかずクラブ)演じるバカボン少年。髪型がオカリナのままなのに、ちゃんとバカボンに見えるからすごい。でも、なぜほっぺにうず巻きがないのだ。おしいのだ。バカボンのママ(松下奈緒)はレレレというか、ゲゲゲだし、日本一銃弾使用量の多いおまわりさん(高嶋政伸)は、一発も発砲しない。いくら政伸が顔芸をがんばっても、ホンカンがバンバン乱射できないなんて、ほんとに世知辛い世の中なのだ。

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