ついに小説まで…(※イメージ)
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 3月15日、グーグル傘下の企業が開発した人工知能(AI)「アルファ碁」が、世界トップ棋士の李世ドル九段(韓国)に5戦中4勝し勝利した。すでにオセロ、チェス、将棋でコンピューターが人間を超えているが、東京大学の松尾豊特任准教授は驚いたという。

「囲碁はゲームの中でもっとも難しく、人を超えるのはあと10年はかかると思われていた」

 コンピュータ囲碁フォーラム会長で公立はこだて未来大学の松原仁教授もこう舌を巻いた。

「アルファ碁は昨年10月に二段のプロ棋士に勝っていますが、トップ棋士に勝てるとは思っていませんでした。ところが最近になって、コンピューター囲碁のメーリングリストでアルファ碁の開発メンバーから『李世 との対戦は行けると思う』といった強気な発言が出ていたので、いい勝負になると思っていましたが、ここまで強いとは……」

 コンピューター囲碁はこれまで日本勢が強いとされていた。ところがアルファ碁は、人間が教えなくても自動的に認識する「ディープラーニング」と、対戦を繰り返して自ら学習していく「機械学習」を取り入れることでさらに強くなった。

「今回センセーショナルなのは、ディープラーニングが問題解決と意思決定に役立つことを示した点です。解決方法を人間が教えなくても、目的を設定すれば自ら解決方法を見つけることができるということです。人でも学んだ先生を超えることはありますよね。今回のアルファ碁はそれができているんです」(松原教授)

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