春先の体の冷えは、真冬より深刻!?
春先の体の冷えは、真冬より深刻!?

「春先は、実は真冬よりも体の冷えが深刻になりがちです。気温がジェットコースターのように激しく乱高下するからです」

 こう語るのは、秋津医院(東京都品川区)の秋津壽男院長。真冬は体が寒さに順応しているので、仮にマイナス10度でも体から熱が逃げることは少ない。しかし、春が近づき三寒四温になると、ぽかぽか陽気で血管や汗腺が拡張したあと、急に寒くなって体の熱が逃げてしまうのだとか。暖かい日と寒い日、そして昼と夜の寒暖差が激しい季節だからこそ起こる現象である。

「若いうちは、そんなジェットコースターのような気温差にも体が対応してくれますが、年齢を重ねると対応が難しくなる。だから、真冬よりも春先のほうが、冷えによる体調不良が起こりやすいんです」(秋津氏)

 では、そんな「春冷え」から体を守るためにはどうすればいいのか? ようやく春めいてきた時期に真冬のような厚着はそぐわない。かといって、真冬でもないのにガンガン暖房を使うのは気が引ける。そこで気になるのが、冷え症の人の間で話題になっている「ヒップはらまき」なるものだ。提唱者である富永ペインクリニック(松山市)の富永喜代院長に聞いた。

「『ヒップはらまき』とは、お尻まで覆う長い腹巻きのこと。冷えを解消するためには、おなかだけでなくお尻の下、足の付け根まで保温することが大切なんです」

 富永氏によると、冷えを防ぐポイントは、熱が逃げやすい部分を覆って体温をキープすること。熱が逃げやすいのは、首・脇の下・足の付け根。いずれも太い動脈が体表面を走る部分だ。特に足の付け根にある大腿動脈は、下半身全体を巡る血管の出発点である。ここを保温すれば下半身の冷えが解消し、全身がポカポカと温かく感じられる。よって長い「ヒップはらまき」で足の付け根までカバーするのが理想的なのだそう。

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