大阪場所を前に会見で笑顔を見せる琴奨菊 (c)朝日新聞社
大阪場所を前に会見で笑顔を見せる琴奨菊 (c)朝日新聞社

 3月13日から始まる大相撲大阪場所で綱取りに臨む大関・琴奨菊(32)。果たして久しぶりの日本人横綱は誕生するのだろうか?

日本相撲協会の幹部に琴奨菊の綱取りに関して質問すると、『安定感が全くないからなぁ……』と、言葉を濁されてしまうんです(笑)。けがもあったけど、どうにか大関に踏みとどまってる感じで、代名詞の“がぶり寄り”は『それで残られると、あとは、なすすべがない』という評価。だから『綱取りなんて、無理』と言われているのが現実なんですよ」(担当記者)

 意外だが、最も日本人横綱誕生を待望しているはずの協会があまり期待していない、というのである。ベテランの相撲記者は、今の大相撲で日本人力士が勝つことの難しさを、こんな言い方で説明する。

「番付最上位の横綱が3人ともモンゴル出身ですからね。異国の地で生きている者同士、助け合っていこう、と考えるのが自然でしょ。基本的には、そんな3人をまとめて倒さなければ優勝できないわけです。そんな3人を相手に、稀勢の里とか豪栄道、栃煌山、それに最近の嘉風など、個々に、頑張ってるな、と思える相撲をしていた力士はいました。しかし、そこに琴奨菊は入っていない。先場所の彼の優勝は10億円の宝くじに当たったようなもの。1等が2回続けて当たりはしない、と思うでしょ(笑)」

 琴奨菊は優勝した先場所後に結婚披露宴を催し、夫人を大阪に呼びたい、と言っていたが、それは角界では異例のことらしい。

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